有意義な産休を過ごす ~読書が好きみたいです~

34週となり、産休に入った私の日々の生活と拙い読書感想文です。

「FACT FULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越えデータを基に世界を正しく見る習慣」ハンス・ロスリング著 日経BP社

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ドバイの風景


目に見えるものが真実とは限らない。

辺野古移設は誰が望んでいるのか。

本当に憲法改正は必要なのか。

北朝鮮は日本を攻撃できるのか。

コンフィデンスマンの世界にようこそ。

 

コンフィデンスマンJPが好きだ。なので真似してみた。難しい。

最近ようやくFODで一気に全部視聴。

愉快、痛快、爽快、大がかりなセットで手間暇かかっていて、本当に面白かった。

5月17日から映画が公開されるらしい。観に行きたいなぁ。

 

 

前置きが長くなった。

「FACTFULNESS(以下:ファクトフルネス)」

それを説明するために、

まず13のクイズに答えることから、この本は始まる。

私はこれまで、公衆衛生について学習してきたつもりだし、今もなお仕事で学んでいる部分も多い。

無論それは日本だけの情報かもしれないが、世界に通じる部分だってある。

それに、世界のニュースはテレビ・ネットですぐ手に入る時代となった。

だからこのクイズには正解する自信があった。

だが・・・・

正解したのは質問8だけだった・・・。

正解率は7%。

しかし、大体の人が1問だけ正解している私と同じレベルの認識らしい。

これは学者でも同じ。

なぜこんな結果になったのか。

 

その原因が、10の思い込み(本能)である。

①分断本能・・・一番上と、一番下を比べる。

②ネガティブ本能・・・悪いニュースばかり報道される。

③直線本能・・・どんどん悪くなる、どんどん増えると思う。

④恐怖本能・・・怖い情報は目に止まる。

⑤過大視本能・・・ひとつだけの情報ですべてを決めつける。

⑥パターン化本能・・・すぐ同じグループにまとめてしまう。

⑦宿命本能・・・価値観は変わらないと思っている。

⑧単純化本能・・・一つの見方しかしない。

⑨犯人捜し本能・・・すぐに犯人を捜す。

⑩焦り本能・・・焦ってすぐ対策しようとする。

本自体は分厚いし、パラパラめくるとグラフも載っていて小難しい内容かと思っていたが、実際はハンス・ロスリングさんが、実際に自分が思い込みで失敗した経験談などがかかれていて、非常にわかりやすかった。

 

自分がどれだけ知識不足で、情報をアップデートできていなかったか、そして偏った情報だけに振り回されて偏った見方をしていたか気づくことができた。

事実に基づいて世界を正しく認識する。

事実に基づかない真実をうのみにしないために、情報だけでなく自分自身を批判的に見る力も持つ。

そして本能に支配された人を許すことも大切。

この考え方は実生活でも十分活かせると思う。

例えば、今年は100人中80人が合格、20人が不合格という情報、

合格率80%と聞くと合格率が高く感じるし、

5人に1人が落ちたと聞くと、すごく難しい試験にも思える。

でも昨年は100人中95人が合格という情報を追加されると、

今年の試験は難しい問題だったとも感じるし、今年の受験者は勉強していない人が多かったとも感じられる。

しかし10年前から一昨年までは100人中50人が合格という情報が追加されると、

去年と今年は優秀な人が多かったと感じる。

情報によってどんどん自分の認識が変わっていく。でも、今年の合格データだけだったらこの認識にはたどり着かなかった。

それを知ったうえで、しっかりと自分で考え、正しい知識や情報を得ていかねばと思った。

 

 

本の中で、一番印象に残ったのは、第7章 宿命本能の部分。

ハンスさんが、アフリカはいずれ貧困を脱出してヨーロッパぐらいに発展するだろうという講演をしたとき、講演を聞いた人から「アフリカ人が、いずれヨーロッパのいい観光客になるというビジョンはないの?」と言われて、自分が相も変わらずヨーロッパにアフリカは追いつけないという上から目線の考え方にとらわれていたと気付いてはっとしたという話。

アジアだって見渡せば、すでに日本が遅れていること、追い抜かれている部分がたくさんある。それでも「日本はアジアのトップ」なんていう認識のままでいたら、だめ。

そんなことも思った。

それでも、日本だけにこだわらず、アジア全体で、地球全体で平和な世界になっているのならそれはとってもいいこと。

ファクトフルネスを実践して、世界を見れば、世界に希望が持てる。とかかれていたが、実際私もそう感じた。

いろんな情報を得て、いろんな考え方を知って、そのうえで思い込まず、謙虚に自分の考え方を見つけていきたいなぁ。

 

感想が長くなったけれど、さすが名著でした。

以上。