有意義な産休を過ごす ~読書が好きみたいです~

34週となり、産休に入った私の日々の生活と拙い読書感想文です。

「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ 文藝春秋

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お気に入りのブローチ


本屋さんに行けば、必ず「○○賞受賞」「○○大賞」というキャッチコピーが目に飛び込んでくる。

私は、この言葉に弱い。

無類の読書好きは、自分の直感だけを頼りに、素敵な本に巡り合えるのだと思う。

しかし私は、図書館では運命をいつも求めているが、本屋さんではできるだけ失敗を避ける。そう、ケチで小心者である。

 

今回、この本を選んだ理由は二つある。

まずは、2019年本屋大賞を受賞。全国書店員が選んだ本なら間違いない。

そして、本の主人公が、親は何回も変わったけれど幸せに過ごしている話ということ。

大抵、お涙頂戴ものは、苦労がつきものだ。それがない。にもかかわらず、著者会心の感動作だと??どういうことだ???なんだ???と思って本を購入した。

 

まず、読んでみての感想。

すごく幸せな気持ちになった。

これは現代においては、あり得ないおとぎ話なのかもしれない。それでも、子供の人生は親が誰であっても幸せでいてほしいし、幸せな人生を歩んでほしいものだ。

私は両親以外の人にも支えられて、ここまできたということを思い出すこともできた。

家族や親族、友人や職場の人だけではない。

思い返せば、私の人生には、一人暮らしの時のアパートの管理人のおじさん、クリーニング屋のバイト先のパートのおばさん、コンビニの店長さんとその家族、同じアパートで過ごしおかずや野菜をおすそわけしあった看護師さんや学校の先生、いきつけの美容室のご夫婦、よく家にお邪魔してお話を聞いたりご飯をごちそうになったおばあさん。

たくさんのたくさんの出会った大勢の人に支えられて、今まで来た。

この本を読んだだけで、色々な優しさの思い出がよみがえり、心があたたかくなった。

 

それに、家族との懐かしい夕食の時間。

必ず集まれる時は皆で集まって食べた夕食。

友達とけんかしたこと、テストが難しかったこと、面白かった本やドラマの話、ニュースや政治のことまで。私達家族はおしゃべりが好きだから、めいめいに話したいことを話していた。そんな家族の時間を、風景を、思い出した。

その時食べたものは、ほとんど覚えてないけど、お母さんのそば米汁、茶碗蒸しは今でも大好物だし、寒い時期は受験勉強の時に作ってもらった鍋焼きうどんが食べたくなる。

この本の中にも、美味しそうなご飯の場面がたくさん出てくる。愛情あふれる、特別なご飯と家族の時間。

 

私はこれから子供を生む。母親になる。

その時、

「母親になってから明日が二つになった。」

「自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日がやってくるんだって。親になるって、未来が二倍以上になることだよって。明日が二つにできるなんて、すごいと思わない?」

親になった幸せを、こんな素敵な言葉で伝えられる母親になりたい。