「フィンランド人が教える ほんとうのシンプル」 モニカ・ルーッコネン ダイヤモンド社
誰も読んでいないと思って、ついつい慌ただしい毎日に置き去りになっていたこのブログ。
妊娠34週を迎え、産前休暇に入ったこともあり、復活。
前回の記事を書いたのが、ちょうどゴールデンウィーク中で、それ以降は本当に読書らしき読書はしていない。
読んだのは、妊娠・育児に関する雑誌や本ばかり。
子供の夜泣きへの対応を書いた安眠の本だったり、ベビーサインの本だったり。
育児に対して、未知数なので、とにかく知識を得たい。学習からの実践。
あと、家事なんて適当でいいという本も読んだ。週4日、豚汁でもいいという内容に衝撃を覚えた。実際にそれだと自分が食事に飽きるから無理だけど、栄養素を摂取する&自分が疲弊しないという目的では考え方が合理的だなと思ったし、気が楽になった。
そんなこんなで34週となり、仕事をお休みして、日中は一人で過ごす日々となった。
todoリストを作って、部屋の掃除、料理の作りおき、いらない粗大ごみの処分、美容院へ行く、たまっていた書類関係の整理等々をこなして、早や4日目。
次はあれがしたい、これがしたいと思う気持ちに対して、大きなお腹で動きにくく、動悸・息切れする体。
結局、家で過ごすことが増えて、ようやく読書熱も復活!!
早速、図書館にて本を数冊借りてきた。
そんな私が、読んでよかったと思うのが、まずこの本。
「フィンランド人が教える ほんとうのシンプル」
日本人の多くが、「かもめ食堂」を見て、フィンランドという国に憧れ、好きになったのではないかと思う。
ご多分に漏れず、私もそうだ。
全部大好きで、商品を見れば欲しいものばかり。
フィンランドという国には、底知れない魅力がある。
「LIFE!」という映画で、主人公がスケートボードで滑っていたのも北欧ではなかったかな。景色も素晴らしい。
また、北欧といえば、図書館が有名というのも、以前何かの番組だかで(世界ふしぎ発見!の可能性大)見たし、北欧展というイベントを見に行った時にも知った。
そんな憧れの国、フィンランド。
憧れすぎて、フィンランドについては色々調べたことがある。
まず世界幸福度ランキングで2019年に1位。(日本は58位)
その理由として、フィンランドは教育や子育て支援に力を入れており、母親の就労有無にかかわらず保育所が使えたり、「ネウボラ」という制度では妊娠中から子供が6歳になるまで同じ保健師等の専門家が母親と家族をサポートしているなど充実した制度がある。また、母親が子供を預けて外出するための育児支援もあり、その日は気兼ねなく母親は美容院やスパに行ったりできるそうだ。
さらに男性の育児休業取得率も8割と高い。
仕事は8時~4時までと決まっていて、仕事が終わったら5時には子供を迎えに行って自宅でゆっくりと家族で過ごすらしい。
夏の休暇は4週間、冬の休暇は1週間ある。生活>仕事の優先順位である。
妊娠中の私が一番心惹かれたのが、フィニッシュベイビーボックスの存在。
フィンランドでは出産準備パッケージとして、妊娠したら国からこのボックスが送られる。ボックスは大きい段ボールで、中には部屋着・外出着・寝具・ベビー用品が一式入っていてまた、この段ボール自体がベビーベッドになるという優れもの。
赤ちゃんと添い寝していて亡くなる事故を防ぐためという目的が、この段ボールにはある。
また、中身は出産後1年にわたって必要な衣類等がそろっている。寒いフィンランドでも、しっかり過ごせるよう防寒着も入っている!!
金銭的に余裕があろうがなかろうが、必ず渡されるというのが、手厚い社会保障のフィンランドならでは。
日本でも同様のボックスを頼めるということで、ついつい注文してしまった。
値段はまあまあするが、1年間使用できる上、他ではみない北欧デザインの服はとても可愛くて、今から赤ちゃんに着てもらうのが非常に楽しみである。
話が異常なほど脱線した。
本の感想である。
まず、この本はデザインが素晴らしい。図書館で見つけた時に、なんてコンパクトでおしゃれな本だろうかと思った。
また、字が大きく、一つのテーマに対して大体が見開き2ページで内容が簡潔にまとまっている。開いたページを好き勝手に読める。
北欧の写真も何枚か見開きで大きく掲載されている。
ただ、いいと思ったものはずっと使うし、無駄に買わない。そして、自分に今必要ないと思うものは、どんどん他の人に譲る。
また、生活をとても大切にしている。特に、ゆったりと時間を過ごすことに重きをおいている。美しい景色を眺める時間を持つのは、心に余裕がないとできない。
ゆっくり読書を楽しみ、コーヒーを飲み、サマーコテージで過ごす4週間はキャンドルの揺らめきや風の音にも耳を澄ませる。建築物をみたり、図書館で過ごすなどお金をかけずに過ごすのも上手だ。
日々心を豊かにして、しあわせを感じる人生というのは、できそうで中々できない。
実際、私も産休に入ってから、なんだかあせっていた。
しかし今日は、部屋でコーヒーを飲み、甘いお菓子を食べて、ジャズを聴きながら本を読むという時間を過ごし、素晴らしい幸福感を得ることができた。
夕方、外を散歩すると、稲穂が黄金色になってさわさわと揺れていて秋を感じた。
いつもは車で通り過ぎる道も、歩いてみれば色々な発見があることを知った。
何もしない、というのも贅沢な時間の過ごし方だ。
産休に入ってすぐ、この本を図書館で見つけられてよかった。
私もこの産休中に「人生で本当に大切にしたいこと」をゆっくり見つけていきたい。